僕とスキーマ療法との出会い
三度目の休職中、復職に向けてリワーク施設に通っていたある日
職員の方から1冊の本と1つの論文を紹介されました。
本は『スキーマ療法入門』というもの。
論文は『慢性化した抑うつ症状を訴える男性に対する総合的認知行動療法 --スキーマ療法を併用した症例報告--』というもの。
本のほうは結構ボリュームがありそうでしたので、まず論文のほうを読んでみました。
それまで、『認知行動療法』は少し経験していて知っていましたが、『スキーマ療法』については初耳でした。
そんな僕とスキーマ療法との出会いの瞬間は、「これだ!」の一言に尽きます。
「これならなんとかなりそう」 そう思えました。
スキーマ療法に興味を持った僕は、本のほうも読んでみました。
本にはいくかの事例があり、そのなかに自分とぴったり当てはまるケースがありました。
「はたから見てると幸せそうに見えるのに、本人は常に生きづらさを感じている」というものです。
自分で言うのも何ですが、僕は別に不幸になる要素はそんなに持っていないと思っています。
そりゃあ、仕事量が増えればきついですし、職場の人間関係もバッチリというわけではありません。
でも、人生は仕事だけではないですし、仕事を除けば十分に幸せだと思っていい人生のはずです。
そこまで分かっていながら、僕のなかの「生きづらさ」は消えてくれません。
認知行動療法により認知の歪みに気づき、修正する というのも日々試していました。
それでも、本当にきついとき(同僚から攻撃的な態度をとられたりしたとき等)は自動思考を修正する間もなくしんどさの沼にはまっていきます。
僕の場合はパニックも持っているので、一度その沼にはまるとなかなか抜け出せません。
そういうしんどさが徐々に恐怖となり、僕は職場で椅子に座っているだけで怯えるようになってしまいました。
話を戻します。
スキーマ療法は認知行動療法で扱う『自動思考』や『認知』より、さらに深いところにある『スキーマ』というものを扱うようです。
要は、『自動思考』や『認知』が生まれることになった根っこのようなものだと思います。
「根っこの部分からどうにかしたい」と思っていた僕にとってスキーマ療法はまさにぴったりでした。
これが、僕とスキーマ療法との出会いです。