3コラム(スリーコラム)について
3コラム(スリーコラム)、もしくは3つのコラムと呼ばれる「ある(ネガティブ))出来事が起きた時のことを状況・思考・気分の3つに分けて書き出すセルフモニタリング技法」があります。
僕は、スキーマ療法を受けるべく初めて行ったカウンセリングで、宿題として「次回までに3コラムを3つほど書いてきてください」と言われました。
ちなみに以前通っていたカウンセリングでは7コラムまでやりました。
3コラム以外にも、5コラム、7コラム、9コラム等がありますが、今回はそのなかでももっともかんたんに取り組める3コラムについてです。
やり方はかんたんではありますが、コラム法により過去のネガティブな出来事を思い出し、それを書いていくという作業は、心と身体にとても負担のかかる作業です。
しかしながら、コラム法はセルフモニタリング(自分を客観的に見ること)にとても有効な技法で、いくつかの出来事について書き出すことで、自身の“考え方のクセ”に気づくことができます。
認知行動療法においては、この“気づく”ということが非常に重要で、気づいた時点で問題は6割解決しているとも言われます。
そのくらい、「僕たちは普段、無意識で生きている」ということです。
3コラムでは以下の3つについて書き出します。
- 具体的な出来事:最近、ストレスを感じた(ネガティブな)出来事を1つ選び具体的に書き出す(いつ、どこで、誰と、どんな状況で、どんな出来事が)
- 気分・感情とその度合い(憂うつ、不安、恐怖、怒り、苛立ち、むなしさ、うんざり、パニック、屈辱、失望、見放され感、恥ずかしさ、罪悪感、敗北感など)
- 自動思考:そのとき、どのような考えが浮かんだか
では、具体例で見ていきましょう。
【出来事】
朝、職場で上司にあいさつをしたが、上司はこちらを向くこともなくあいさつも返してもらえなかった。
【気分・感情】
困惑感(80%)
苛立ち(50%)
見放され感(40%)
【自動思考】
なんであいさつを無視されたんだろう。ぜったい聞こえていたはずなのに、返してくれたっていいじゃないか。もしかして僕を嫌っているから無視したのかもしれない。
この例から分かるこの人の考え方のクセとしては、「思い込み」や「深読み」などがありそうです。
「考え方のクセ」には以下のような種類があります。
- 思い込み
自分が着目していることだけに目を向けてしまい、根拠が全く不十分なのに「自分の考えが正しいに違いない」と決めつけてしまっています。
自分の関心のあることは「大きく」、自分の考えや予測に合わないことは「小さく」考える傾向が出てきます。 - 白黒思考
曖昧な状態に耐えられず、物事を全て「白か黒か」、「良いか悪いか」という極端な考え方で割り切ろうとしています。
完全にできなければ満足できず、少しでもミスがあると全否定をしてしまいます。 - べき思考
「こうあるべき」、「●●しなくてはならない」と必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまい、自分の行動を自分で制限してしまいます。 - 自己批判・自己関連づけ
良くないことが起きると、どんなことであっても自分のせいだと考えて、自分を責めてしまいます。 - 深読み
相手の気持ちを一方的に推測して、「そうに違いない」と決めつけてしまうこと。 - 先読み
自分で悲観的な予測を立ててしまっている状態で、そのために自分の行動を制限してしまい、予想通り失敗してしまうことになります。
その結果、否定的な予測をますます信じ込むようになるという悪循環に陥ってしまいます。
3コラムを活用し、自身の考え方のクセに気づくことが、ネガティブ思考の沼から抜け出す第一歩です。
コラム法や考え方のクセなど、認知療法の基本のキを学ぶには、大野 裕 著「こころが晴れるノート」がバツグンにおすすめです。
わかりやすく、簡潔に書かれているので、認知療法に初めて触れる方もするするっと読めてしまうと思います。
明日はついに2回目のカウンセリングです。楽しみと不安が入り混じった気持ちです。
でも、僕はこれに賭けてるんです。