社会人10年目の僕がスキーマ療法に人生を賭けてみた

慢性的な生きづらさを感じ人生に幸せを感じられない僕が変われるかどうかを見届けるブログ

早期不適応的スキーマについて

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3回目のカウンセリングで見え始めてきた『スキーマ』
スキーマ療法でいうスキーマとは基本的に『早期不適応的スキーマ』のことを指します。
『早期不適応的スキーマ』は、子ども時代に、子どもがふつうに持って当然の欲求が満たされないと、心が傷つき、その結果作られてしまいます。

子ども時代はそのスキーマの存在のおかげで心を守ることができたり、危機を回避できたりすることもありますが、それが大人になっても残ったままだと、いわゆる“生きづらさ”につながってしまう原因となります。

早期不適応的スキーマは以下の18種類あり、5つのスキーマ領域に分類されます。

 

■第1領域 人との関わりが断絶されること
 「愛してもらいたい。守ってもらいたい。理解してもらいたい」という中核的感情欲求が満たされない場合のスキーマ領域。

1. 見捨てられスキーマ
▶解説
 「見捨てられスキーマ」とは、「人は自分を見捨てていく存在だ」「自分はいつも人に見捨てられる」というスキーマです。このスキーマを持つ人は自分が他人と安定した関わりを継続的に持つことがイメージできません。友人であれ、恋人であれ、家族であれ、相手が誰であってもその人はいつか自分を見捨てるだろうと強く信じています。相手のことを「今たとえ目の前にいても、何かあれば、私のもとを去ってゆくだろう」と思ってしまいます。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人の中には、見捨てられるのが怖くて相手に激しくしがみつく人もいれば、見捨てられる前に自分から相手との関係を切ってしまう人もいます。「見捨てられて傷つくぐらいなら、人との関係を持たないほうがよい」と考え、はじめから人と関わらないようにする人もいます。

2. 不信・虐待スキーマ
▶解説
 「人は基本的に自分を攻撃してくる存在だ」「人は自分を食い物にし、何もかも奪おうとする存在だ」というように、他者を「自分を虐待してくる存在だ」と考え、だから「人なんか信じてはならない」「うっかり信じたらひどい目に遭うに違いない」と、他者に向けて「不信」の目を向けるのが、この「不信・虐待スキーマ」です。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人の多くが、他人を疑ってかかり、誰とつき合うときにも、心を開かず、本音を明かすことはありません。他人と交わらず、コミュニケーション場面でも自分のこと、個人的なことを話しません。人から親切にされるとかえって「何か企んでいるのでは?」と疑い、その人と距離をとろうとします。しかしこのスキーマを持つ人は、本当は信じたいのです。ですから「ひょっとしたらこの人を信じてもよいのではないか」という人が現れた場合、相手に過剰に期待を抱きすぎてしまう場合があります。あるいは、「相手が本当に信じられるかどうか」「実は自分をだまそうとしているのではないか」という想いに駆られ、相手を監視したり、相手の一挙手一投足にやたらと意味を見出したりしようとすることが多くあります。また、このスキーマを持つ人の中には「やられる前にやってしまえ」という思いに駆られ、やたらと好戦的、挑戦的に振る舞う人もいます。

3. 「愛されない」「わかってもらえない」スキーマ
▶解説
 「人は自分を愛してくれない」「私は人に愛される存在ではない」「人は私を理解してくれない」「誰も私のことを理解しようとしてくれない」「私の気持ちは誰にもわかってもらえない」「私は誰にも理解されない存在だ」というのがこのスキーマです。このスキーマを持つ人にとって、他人は、自分のことを心から理解したり、愛してくれたり、守ってくれたりする存在ではありません。自分は誰からも愛され、理解され、守られることがない存在です。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、狂おしいほどまでに「愛されたい」「わかってもらいたい」と願っています。そういう人の中には、相手(家族や恋人、友人など)に対して、「私を愛してほしい」「私をわかってほしい」という思いを、強烈な形で向けてくる人がいます。一方、このスキーマを持ちながらも、「どうせ自分は人に愛されないんだ」「どうせわかってもらえないんだ」とあきらめている人は、人と仲良くしようとせず、人間関係がどこか投げやりだったりします。人に対してよそよそしい態度をとる人もいます。親密な関係を人と持つことを端からあきらめている人は、そもそも人と関わろうとしないかもしれません。

4. 欠陥・恥スキーマ
▶解説
 この「欠陥・恥スキーマ」は、「自分は人間として欠陥のある存在だ」「自分は根本的にダメな人間だ」「自分は生まれつき欠陥人間だ」「自分という人間は欠陥だらけで、よいところなんて何もない」という「自分は欠陥人間だ」というスキーマに、「そういう自分は人間として恥ずかしい存在だ」「こんな自分を知られたら恥ずかしくて生きていけない」という「恥」の感覚が合わさったスキーマです。
●このスキーマを持つ人の特徴:基本的にこのスキーマを持つ人は、自分の「欠陥」が他人にバレないように振る舞うことが多いです。具体的には、欠陥がバレないよう、そもそも人と一緒に行動しなかったり、人と個人的な話をしなかったりします。人に評価されるような状況をそもそも避けてしまうことも少なくありません。自分のちょっとしたしくじりに過敏に反応し、しくじった場面に二度と行かなかったり、自分のしくじりを目撃した人とのつき合いを断ってしまったりします。そういう人は自分の欠陥がバレて他人から拒絶されることにひどくおびえているのです。一方、「自分の欠陥がバレたらまずい」「そんなことがあったら恥ずかしすぎて死ぬしかない」「本当は一つも欠陥のない人間でありたい。嘘でも自分をそう思いたい」という人は「だから完璧に振る舞わなければならない」というルールを自分に課し、物事にやたらと完璧に取り組もうとする場合もあります。

5. 孤立スキーマ
▶解説
 「自分は変わり者だ」「自分は誰とも似ていない」「自分は変人だ」「自分は世界から孤立している」「自分は誰とも交われない」と考え、「世界の中で自分一人がポツンと孤立しているイメージ」「どこにも所属できず、一人ポツンと孤立しているイメージ」を持つのがこの「孤立スキーマ」です。
●このスキーマを持つ人の特徴:実際このスキーマを持つ人は、社会的場面では端っこでポツンとしていることが多いです。自分から人に話しかけようとはしません。社会的場面に出ず、引きこもっている人も少なくないでしょう。他人と交わる必要のない、自分だけの趣味に没頭する人も結構います。一方、実際このスキーマを持つ人の多くは、「本当はどこかに属したい」「居場所が欲しい」「自分が中心人物になりたい」と願っています。そういう人は、何らかのコミュニティやネットの世界において、自分がその世界の中心であるかのように振る舞ったり、やたらと熱心に他人の面倒を見ようとする場合もあるでしょう。

■第2領域 「できない自分」にしかなれないこと
 「有能な人間になりたい。いろんなことがうまくできるようになりたい」という中核的感情欲求が満たされない場合のスキーマ領域。

6. 無能・依存スキーマ
▶解説
 「自分は無能だ」「自分はできない人間だ」「私は自分一人では何一つまともにできない」と自らを「無能である」と感じ、だから「誰かに助けてもらわなければならない」「誰かに助けてもらわないとまともにできない」と他者に「依存するしかない」という強い思いを持ちます。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は「自分は無能だ」と信じているので、新しい課題に尻込みすることが非常に多くあります。新たな課題に直面すると、すぐに「できない」と思ってしまうからです。そして何かをする際は、やたらと人の助けを借りようとします。自分でチャレンジしようとせずに、すぐに人を頼るのです。また「できない」と信じているので、課題に手をつけず、先送りにする場合も多くあります。ただし、このスキーマを持つ人の中には、「誰の手も借りず、自分一人の力でうまくやりたい」という願望を持つ人もいて、そういう人は、誰かの助けを借りたほうがよい場合でも、無謀にもその課題にたった一人で取り組んだりします。

7. 「この世には何があるかわからないし、自分はそれらにいとも簡単にやられてしまう」スキーマ
▶解説
 ちょっと長い名前のスキーマですが、その名のとおり、「この世にはどんな恐ろしいことが起こるかわかりはしない」「自分の身に、いつ、どんな恐ろしいことが起きてもおかしくない」という思いと、「そんなことが起きたら、自分は弱いからそれに太刀打ちできない」「自分はそれを防ぐこともできないし、対処することもできない」「自分はそれにやられっぱなしになるに違いない」「自分にはどうにもできない」という思いが合体したスキーマです。ちなみに「恐ろしいこと」とは、たとえば「心臓発作」や「発狂」など自分自身のことと、自然災害や事故や事件など外的なことの両方が含まれます。
●このスキーマを持つ人の特徴:「何か起きるのではないか」「起きたらどうしよう」と、常にびくびくおびえ、警戒しています。自分の身体の異変や周囲の状況の変化に敏感で、何か変化を感じると「どうしよう」とさらにおびえます。実際に何か事が起きると、恐怖のあまり固まってしまったり、一目散にその場から逃げ出したりします。

8. 巻き込まれスキーマ
▶解説
 「自分はいつも誰か(多くは養育者)に巻き込まれている」「自分には“自分”というものがない」「自分は誰かと一体化している」「自分と誰かは二人で一つの人間だ」「誰かの考えが自分の考え、誰かの感情が自分の感情」「あまりにも他者と一体化しているので、自分が何者だかわからない」「自分は自分を生きていない」「自分がないので、生きている実感がない」といった思いがこの「巻き込まれスキーマ」の中心にあります。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、常にその「誰か」と一緒に過ごし、「誰か」の考えや感情があたかも自分の体験のように感じることが多くあります。その人と一緒にいないと、自分がなくなってしまったように感じ、不安になり、その人と一緒にいようとします。自分の感情や欲求より、その人の感情や欲求に目を向け、それを満たすことによって、自分の感情や欲求を満たそうとします。自分がないので、一人で過ごすことが苦手で、常に誰かと一緒にいようとします。ただしその「誰か」といることに時に息詰まりを感じ、相手に対し、感情を爆発させたり、キレたりすることが、たまにあるかもしれません。自分が巻き込まれていることに気づいていない人の場合、巻き込まれている相手の考えや主張が、あたかも自分のものであるかのように他人に吹聴する人もいるでしょう。「自分がない」という空虚感に耐えられないとき、お酒をたくさん飲んだり、インターネットでポルノを見たり、自傷行為をしたりするなど、自分に刺激を与える行動を取る人もいるかもしれません。

9. 失敗スキーマ
▶解説
 「自分はこれまで失敗ばかりしてきた」「自分は何をやっても失敗してしまう」「これからも自分は失敗ばかりするだろう」「どうして自分はこんなに失敗ばかりなんだろう」「やったって、どうせ失敗する」というように自分の行動をことごろく「失敗」と結びつけて考えてしまうのが、この「失敗スキーマ」です。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、自分の行動をことごとく「失敗」とみなすので、自分で自分にがっかりし、「自分なんか」と自分を卑下する発言をすることが多くあります。自信がないので、何か新たなことにチャレンジすることを避ける傾向があります。何か課題が課されたときも、失敗を恐れて、なかなか取り掛かれず、課題を先延ばしにしたり、「失敗するぐらいなら、やらないほうがよい」と考え、課題を放棄したりすることもあります。ときに「今度こそは頑張ろう」「今度こそは失敗するまい」と、やたらと張り切って物事に取り組むこともありますが、頑張りが長続きせず、最後までやり遂げられないことが多くみられます。

■第3領域 他者を優先し、自分を抑えること
 「自分の感情や思いを自由に表現したい。自分の意志を大切にしたい」という中核的感情欲求が満たされない場合のスキーマ領域。

10. 服従スキーマ
▶解説
 これは、相手に「嫌われたくない」「見捨てられたくない」「攻撃されたくない」「復讐されたくない」と思うあまりに、自分の欲求や感情はさておいて、相手につき従い、服従してしまうというスキーマです。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、相手の機嫌をうかがう、相手の機嫌を取る、相手の言うことに反射的に従う、相手が自分に望んでいるであろう行動を自ら取る、相手の機嫌が悪いとおろおろする、相手の機嫌が悪いとどうにかして挽回しようとする…といった、相手優先の行動をことごとく取ります。その際、自分の感情や欲求はすべて蚊帳の外で、置き去りにされます。しかしそれが続くと次第に欲求不満が溜まり、ときにそれが相手に対する「逆ギレ」となって噴出することがあります。あるいは服従している相手とは別の相手(自分より弱そうな人)を、自分に服従させることで鬱憤を晴らす場合もあります。

11. 自己犠牲スキーマ
▶解説
 「自分より相手を優先するのは当然のこと」という思いがこのスキーマの中心にあります。「自分の面倒を見ることより相手の面倒を見ることのほうが当然先である」と考え(この考えがあまりにも当然すぎて、この考えが意識に上がらないこともあります)、「相手の喜びは自分の喜び」「相手の悲しみは自分の悲しみ」と感じ、相手の喜びを増やし、相手の悲しみを減らすために、「自分が何とかしなければならない」と感じるのがこのスキーマです。
●このスキーマを持つ人の特徴:常に相手を気遣います。相手の様子をさりげなく見て、せっせと相手の世話をしたり手助けしたりします。相手がつらそうだったり悲しそうだったりすると「私が何とかしてあげたい」と思って心を痛め、「何とかしてあげる」ための行動を取ります。そうすることが当然だと思っているので、お礼やねぎらいの言葉をかけられても。謙遜するばかりです。それでも相手がつらそうだと「何もしてあげられなかった」と罪悪感を抱き、相手に謝ったりします。しかし自分を犠牲にして相手のための行動を取り続けることはかなりしんどいので、時々深くため息をついたり、疲れを感じたりします。場合によってはあまりの自己犠牲的行動によって身体をこわすこともあります。

12. 「ほめられたい」「評価されたい」スキーマ
▶解説
 このスキーマの背景には「他人の評価がすべて」「他人に認められなければならない」「何とかして皆に認められたい」「他人から評価されれば自分はOK、されなければダメ」「自分の勝ちは他人からの評価次第」といった思いがあり、それが「ほめられたい」「何とかしてほめられたい」「ほめられなければ、それは自分がダメだということ」という思いとして結実します。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、常に他人の評価を気にし、他人に評価されたりほめられたりするために行動します。自分の好みや意志に基づいて発言したり行動したりすることはありません。常に「他人に認められるか」「他人にほめられるか」という基準で自らの行動を選択します。逆に思うように評価されないと、「自分に価値がない」と思ってひどく落ち込みます。そして次に挽回しようとします。

■第4領域 物事を悲観し、自分や他人を追い詰めること
 「自由にのびのびと動きたい。楽しく遊びたい。生き生きと楽しみたい」という中核的感情欲求が満たされない場合のスキーマ領域。

13. 否定・悲観スキーマ
▶解説
 人生や物事の否定的な面ばかりを捉え、悲観するのがこのスキーマで、いわゆる「マイナス思考」のことです。コップに半分の水が残っていても「もう半分になってしまった」「なくなっちゃったらどうしよう」と思い悩むのです。「どうせいいことなんかない」「どうせやったってうまくいかない」「人生は苦しいことだらけ」「生きていてもいいことなんかない」という思いがこのスキーマの中心にあります。
●このスキーマを持つ人の特徴:常に物事を悪い方向に考え、心配ばかりしています。「もし……たら、どうしよう?」というのが口癖で、悪い可能性を予測し、それを防ごうとします。感情が険しく、いつも眉間に皺を寄せています。楽観的な人、明るい人を見ると、内心で「いい気なもんだ」とけなしますが、一方で、そういう人をうらやましく感じたりもします。「どうせ」という言葉も、このスキーマを持つ人の口癖です。「どうせうまくいかない」「どうせやってもしょうがない」といった言葉で自分や他人のやる気をくじきます。

14. 感情抑制スキーマ
▶解説
 様々なタイプの「感情抑制スキーマ」があります。たとえば「怒りを感じると自分は何をしだすかわからないから、感じてはならない」「こんな私が楽しんではいけない」といった特定の感情を抑制するスキーマもあれば、「感情を感じることは危険だ」「感情を感じてはならない」「理性で感情を抑えつけなければならない」「感情は完全にコントロールしなければならない」というように、感情全般を抑制しようとするスキーマもあります。また「人に自分の感情を知られてはならない」「感情を外に出してはならない」というように、感情を外に出すことを抑制するようなスキーマもあります。ただ、いずれにせよ、感情を抑制するのです。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、あたかも感情などないかのように、淡々と振る舞います。それがとても「理性的」に見える場合もあるでしょう。自分の感情をコントロールし、自信に満ちているように見える人もいます。人に感情を知られるのが怖く、他人と距離を置いたつき合いしかしない人もいます。ポジティブな感情を抑制している場合、陰気で、いつもつまらなそうにしている人もいるでしょう。このスキーマを持つ人は、感情をあらわにする人、人前で怒ったり泣いたりする人をひどく馬鹿にします。しかし本当はそれがうらやましいのです。感情抑制が長年の癖になっている人は、「自分が生きている」という実感が持てません。そのような人は、自傷行為を行うなど、自分に刺激を与える行動をひそかに取っているかもしれません。

15. 完璧主義「べき」スキーマ
▶解説
 物事に取り組む際に、「物事は完璧にこなさなければならない」「やるからには高いレベルを目指したい」「ものすごくちゃんとできないと嫌だ」「100点満点でないとダメだ」などと非常に高い基準を設定し、その基準をクリアするよう、「できる限り努力すべきだ」「手抜きしてはならない」「とことんやるべきだ」「目標を達成するまで休んではならない」と追い詰めていくのがこのスキーマです。このスキーマは自分だけに向ける人と、自分と他人の両方に向ける人の2種類があります。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、ものすごく頑張る、休憩を取らずに物事に没頭する、効率よくやることにやたらとこだわる、「べき」「ねばならない」が口癖である。せかせかと追い立てられるように行動する、はたから見てちっとも楽しそうでない、人にも完璧を求める、他人に自分の「べき」を当てはめて他人を追い立てたり批判したりする。どれだけ成果を出しても満足しない、結局物事を完璧にやるのは不可能なので常に不全感を抱いている、といった特徴があります。また常に全力で行動するので、時々どっと疲れたり、体調が急に悪化することもあります。

16. 「できなければ罰されるべき」スキーマ
▶解説
 人生には「うまくいかなかった」「失敗してしまった」「結局できなかった」ということがたくさんありますが、このスキーマを持つ人は、「そういう場合、人は罰されるべきだ」「うまくできなければ罰を与えられるべきだ」と信じています。このスキーマを持つ人は自分や他人を「許す」ことができません。「罰」が下らないと気が済まないのです。
●このスキーマを持つ人の特徴:自分だけにこのスキーマが向いている人の場合、とにかく自分に厳しく振る舞います。何か失敗しようものなら、「何やってるの!」と自分を叱責し、懲罰を与えます。それが激しい場合、自分を罰するために自傷行為をする人もいます。他人にもこのスキーマが向けられる場合、その人の振る舞いは、相手を責め、叱責し、懲罰を与えようとするものになります。「絶対に許さない」「覚えておけ」「罰が当たる」「いい気味だ」というのが、このスキーマを持つ人の口癖です。このスキーマを持つ人の辞書には「情状酌量」という言葉がありません。

■第5領域 自分勝手になりすぎること
 「自律性のある人間いなりたい、ある程度自分をコントロールできるようになりたい」という中核的感情欲求が満たされない場合のスキーマ領域。

17. 「オレ様・女王様」スキーマ
▶解説
 「自分は他人と違う特別な存在だ」「自分は他人とレベルの違う人間だ」「自分は特別なのだから何をしてもよい」「自分は特別な存在として皆から扱われるべきである」「他人が守るべきルールでも、自分だけは破ってもよい」「他人より優位に立ちたい」「自分だけに与えられた特権があるはずだ」「自分は自分のやりたいようにやりたい」「他人は自分に奉仕するべきだ」「自分がやりたいようにやるために、他人を利用しても構わない」といった思いが、このスキーマの中心にあります。まさに「俺はオレ様だ!」「私は女王様よ!」という感じです。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、周囲に特別扱いを要求し、それが当然であるかのように振る舞います。皆が守るべきルールを平然と破ります。相手に平然と要求し、その要求が通らないと、激しくクレームをつけたりします。ルールを守るよう言われたり、ルール違反をとがめられたりすると、急に怒りだします。特別扱いされない場所ではしょんぼりし、そのような場を避けるようになります。自分のこのような傾向に気づいている人は、そのような自分んをうっすら恥じている場合もあります。

18. 「自分をコントロールできない」スキーマ
▶解説
 このスキーマは、「やりたいときにやりたいことをやりたいようにやりたい」「楽しいことは今すぐやりたい」「楽しくないことはいつまでもやりたくない」「欲しいものは今すぐ欲しい」「やるべきことより、やりたいことをやりたい」「我慢したくない」「我慢することは嫌いだ」「計画なんてどうでもいい」「心ゆくまでダラダラしたい」といった思いで構成されています。
●このスキーマを持つ人の特徴:このスキーマを持つ人は、自分をコントロールすることが非常に苦手です。やるべきことを後回しにしてやりたいことばかりやるので、期限や締め切りに間に合わなかったり、約束をキャンセルしたりすることが多くあります。夜更かししたり、食べたり飲んだりしすぎたりすることも多々あります。他人から見ると「だらしがない」「甘えている」「わがままだ」と思われることがよくあるでしょう自分のこのような傾向に気づいている人は、そのような自分をうっすら恥じている場合もあります。

 伊藤絵美 著「自分でできるスキーマ療法ワークブック Book2」より

 

早期不適応的スキーマの解説を読んでるだけでも、「あ、これ自分のことだ・・・」と思う人もいるのではないでしょうか。
こういった根深い「信念」のようなものを、適応的なものに変えていく作業、それが「スキーマ療法」です。
自分で書いていて気が遠くなりそうでしたが、続けていけば必ず結果につながると信じ、やっていこうと思います。