社会人10年目の僕がスキーマ療法に人生を賭けてみた

慢性的な生きづらさを感じ人生に幸せを感じられない僕が変われるかどうかを見届けるブログ

3コラム(スリーコラム)について

f:id:mochi00:20200609201456j:plain

3コラム(スリーコラム)、もしくは3つのコラムと呼ばれる「ある(ネガティブ))出来事が起きた時のことを状況・思考・気分の3つに分けて書き出すセルフモニタリング技法」があります。

 

僕は、スキーマ療法を受けるべく初めて行ったカウンセリングで、宿題として「次回までに3コラムを3つほど書いてきてください」と言われました。
ちなみに以前通っていたカウンセリングでは7コラムまでやりました。

 

3コラム以外にも、5コラム、7コラム、9コラム等がありますが、今回はそのなかでももっともかんたんに取り組める3コラムについてです。

やり方はかんたんではありますが、コラム法により過去のネガティブな出来事を思い出し、それを書いていくという作業は、心と身体にとても負担のかかる作業です。

 

しかしながら、コラム法はセルフモニタリング(自分を客観的に見ること)にとても有効な技法で、いくつかの出来事について書き出すことで、自身の“考え方のクセ”に気づくことができます。
認知行動療法においては、この“気づく”ということが非常に重要で、気づいた時点で問題は6割解決しているとも言われます。
そのくらい、「僕たちは普段、無意識で生きている」ということです。

 

3コラムでは以下の3つについて書き出します。

  1. 具体的な出来事:最近、ストレスを感じた(ネガティブな)出来事を1つ選び具体的に書き出す(いつ、どこで、誰と、どんな状況で、どんな出来事が)
  2. 気分・感情とその度合い(憂うつ、不安、恐怖、怒り、苛立ち、むなしさ、うんざり、パニック、屈辱、失望、見放され感、恥ずかしさ、罪悪感、敗北感など)
  3. 自動思考:そのとき、どのような考えが浮かんだか


では、具体例で見ていきましょう。 

【出来事】
朝、職場で上司にあいさつをしたが、上司はこちらを向くこともなくあいさつも返してもらえなかった。

【気分・感情】
困惑感(80%)
苛立ち(50%)
見放され感(40%)

【自動思考】
なんであいさつを無視されたんだろう。ぜったい聞こえていたはずなのに、返してくれたっていいじゃないか。もしかして僕を嫌っているから無視したのかもしれない。

 

この例から分かるこの人の考え方のクセとしては、「思い込み」や「深読み」などがありそうです。
「考え方のクセ」には以下のような種類があります。

  • 思い込み
    自分が着目していることだけに目を向けてしまい、根拠が全く不十分なのに「自分の考えが正しいに違いない」と決めつけてしまっています。
    自分の関心のあることは「大きく」、自分の考えや予測に合わないことは「小さく」考える傾向が出てきます。
  • 白黒思考
    曖昧な状態に耐えられず、物事を全て「白か黒か」、「良いか悪いか」という極端な考え方で割り切ろうとしています。
    完全にできなければ満足できず、少しでもミスがあると全否定をしてしまいます。
  • べき思考
    「こうあるべき」、「●●しなくてはならない」と必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまい、自分の行動を自分で制限してしまいます。
  • 自己批判・自己関連づけ
    良くないことが起きると、どんなことであっても自分のせいだと考えて、自分を責めてしまいます。
  • 深読み
    相手の気持ちを一方的に推測して、「そうに違いない」と決めつけてしまうこと。
  • 先読み
    自分で悲観的な予測を立ててしまっている状態で、そのために自分の行動を制限してしまい、予想通り失敗してしまうことになります。
    その結果、否定的な予測をますます信じ込むようになるという悪循環に陥ってしまいます。

 

3コラムを活用し、自身の考え方のクセに気づくことが、ネガティブ思考の沼から抜け出す第一歩です。

 

コラム法や考え方のクセなど、認知療法の基本のキを学ぶには、大野 裕 著「こころが晴れるノート」がバツグンにおすすめです。
わかりやすく、簡潔に書かれているので、認知療法に初めて触れる方もするするっと読めてしまうと思います。

 

 

明日はついに2回目のカウンセリングです。楽しみと不安が入り混じった気持ちです。
でも、僕はこれに賭けてるんです。

BDI (ベックうつ病調査表)とは

f:id:mochi00:20200603202120j:plain

 

気分が優れずに心療内科、精神科、メンタルクリニック、カウンセリングなどを受診すると、まず始めにどの程度抑うつ状態にあるかを測定するために調査表に記入を求められます。

BDIはその調査票の1つで、正式名称は「Beck Depression Inventory」、日本語にすると「ベックうつ病調査表」と言います。

BDIは、認知行動療法を提唱したアメリカの精神科医アーロン・T・ベック博士によって考案されたもので、 抑うつの程度を客観的に測る自己評価表です。

 

BDIと検索すれば下記のように自己診断できるサイトが多く見つかると思います。

うつ病自己評価尺度(Beck Depression Inventory BDI)

  • 1~10点:正常範囲の気分の揺れ
  • 11~16点:軽度の気分の動揺
  • 17~20点:うつとの境界線
  • 21~30点:中度のうつ状態
  • 31~40点:重度のうつ状態
  • 41点以上:極度のうつ状態

 

僕もこれまで心療内科は3つ、カウンセリングは2つ受診してますが、そのうち心療内科1つ、カウンセリング2つではこのような調査票を記入しました。

初診のときに1回のみのところもあれば、受診のたびに毎回やって経過を観察するということもあります。

 

今、苦しんでいる方で、心療内科を受診しようか悩んだりしている方は、一度試しにやってみてもいいかもしれません。

今の自分はどんな状態か・・・ 客観的に知れる1つのツールです。

 

 

カウンセリング【1日目】インテーク面接と家族関係のヒアリング

f:id:mochi00:20200603155956j:plain

 

カウンセリング初日です。

初めて行く場所なので迷っても大丈夫なように早めに家を出ました。

結果、予約時刻の20分前に到着しました。このあたりに僕の性格が出ています。

 

建物の前で適当に時間をつぶし、予約時刻1分前に中へと入りました。

 

受付の方に名前を伝えると、連絡先や相談したいことなどを記載する用紙とBDI(うつ病調査表)を渡されました。

BDIの質問票は以前にも何度かやったことがあったので、特に戸惑うこともなくその時の気分で記入しました。

ここのところ少し気分が落ち込み気味だったこともあり、意外と点数は高くなりました。

相談したいことを書く欄があったのですが、相談したいことは山ほどあります。

慢性的な生きづらさ

職場の人間への怯え

人生に幸せを感じられない

・・・などなど

書き出したらキリがありませんが、なんとかポイントを絞って書きました。

 

書き終えた用紙を受付の方に渡し、しばらく待っているとカウンセラーの方が迎えに来ました。

事前にWebサイトでお顔は拝見してましたが、やはり初対面は緊張します。

「よろしくお願いします」

 

席に着き、まずは先ほど書いた相談したい内容の確認や、BDIについてのコメントがありました。

BDIの結果は15点で、「少し気分に動揺があるレベル」 とのこと。

休職して1年半近くになりますし、服薬も続けているので「まあ、そんなもんだろうな」といった印象でした。

 

次に、今後のカウンセリングの進め方について説明がされました。

以前に別のカウンセリングで認知行動療法を少しやっていたことは伝えてあったので、このあたりは軽く流す感じで進んでいきました。

何かネガティブな出来事が起きたとき、気分や感情に変化が表れるけれど、それはその出来事によって起こるわけではなく、その出来事をどう捉えるか(認知)によって起こる・・・

認知行動療法の基本の部分をあらためておさらいしました。

そして、「このカウンセリングでは、スキーマ療法も取り入れながらやっていく」というお話もありました。

そうです。それがやりたかったんです!

 

一通りインテーク面接を終え、時間に余裕があったので、幼少期(幼稚園から小学生まで)の家族との関係について聞かれました。

特に、両親との関わりを深堀りされた印象です。

 

カウンセラーに過去のことを色々と聞かれ、それに答えていると不思議な気分になります。

 

今まで意識はしてこなかったのですが、僕は親に褒められた記憶がありませんでした。

学校のテストの結果がよくても、それを特別褒められるようなことはなく、淡々と受け取られていました。

もしかしたら多少は褒めてもらえていたのかもしれませんが、僕の記憶には残らない程度なんだと思います。

 

それと、僕は父との関係が希薄だったんだとあらためて知りました。

父は僕が小さい頃からずっと単身赴任でしたし、家に居たとしても何かを相談したりとかはなかったですし、怒られたりした記憶もありません。よくも悪くも関係が薄かったです。

 

褒められた記憶がないと書きましたが

両親は僕が欲しがるものは基本的に何でも買い与えてくれました。

僕は飽き性なので結構色々とねだっていたと思いますが、我慢させられた記憶はありません。

もしかしたら、それが両親なりの僕に対するご褒美だったのかもしれません。

 

こんな感じで、普段生活していても思い返すことのないようなことまで思い返し答えることになるので、いろんな気づきがありました。

 

そろそろ時間ということで

カウンセラーから3コラムの用紙を渡され、次回までの2~3つ過去の出来事について書いてきてほしい、次回はそれをもとに進めていく ということを伝えられました。

 

そこで僕は

「ちょっといいですか・・・」 たぶん不安げな声だったと思います。

たしかにカウンセラーが言うようにスキーマの多くは幼少期に形成されるものだとは思います。

ただ、僕の場合はそれ以降の中学、高校といったいわゆる思春期に、かなりのスキーマができてしまったのではないかと予想しています。

もちろんただの予想です。でも、それくらい中学・高校はいろいろとありました。

なので、どうしてもそのときの話も聞いてもらったうえで今後の治療を進めたかったのです。

 

カウンセラーからは

「そういう風に言ってもらえると、こちらとしても進めやすくて助かるよ」と、とても温かい返事がありました。

 

最後、料金を払い忘れそうになるというおっちょこちょいな場面もありましたが、

無事に初日のカウンセリングを終えました。

 

こういったカウンセリング専門のところは医療機関ではないため、料金に保険は適用されません。

なので、正直かなりの出費です。

でも、これで僕の人生が変わるのなら・・・と思い、続けて行くことに決めました。

 

果たして僕の人生は変わるのでしょうか。

僕とスキーマ療法との出会い

f:id:mochi00:20200603132326j:plain

 

三度目の休職中、復職に向けてリワーク施設に通っていたある日

職員の方から1冊の本と1つの論文を紹介されました。

 

本は『スキーマ療法入門』というもの。

論文は『慢性化した抑うつ症状を訴える男性に対する総合的認知行動療法 --スキーマ療法を併用した症例報告--』というもの。

 

本のほうは結構ボリュームがありそうでしたので、まず論文のほうを読んでみました。

それまで、『認知行動療法』は少し経験していて知っていましたが、『スキーマ療法』については初耳でした。

そんな僕とスキーマ療法との出会いの瞬間は、「これだ!」の一言に尽きます。

「これならなんとかなりそう」 そう思えました。

 

スキーマ療法に興味を持った僕は、本のほうも読んでみました。

本にはいくかの事例があり、そのなかに自分とぴったり当てはまるケースがありました。

「はたから見てると幸せそうに見えるのに、本人は常に生きづらさを感じている」というものです。

 

自分で言うのも何ですが、僕は別に不幸になる要素はそんなに持っていないと思っています。

そりゃあ、仕事量が増えればきついですし、職場の人間関係もバッチリというわけではありません。

でも、人生は仕事だけではないですし、仕事を除けば十分に幸せだと思っていい人生のはずです。

そこまで分かっていながら、僕のなかの「生きづらさ」は消えてくれません。

 

認知行動療法により認知の歪みに気づき、修正する というのも日々試していました。

それでも、本当にきついとき(同僚から攻撃的な態度をとられたりしたとき等)は自動思考を修正する間もなくしんどさの沼にはまっていきます。

僕の場合はパニックも持っているので、一度その沼にはまるとなかなか抜け出せません。

そういうしんどさが徐々に恐怖となり、僕は職場で椅子に座っているだけで怯えるようになってしまいました。

 

話を戻します。

スキーマ療法は認知行動療法で扱う『自動思考』や『認知』より、さらに深いところにある『スキーマ』というものを扱うようです。

要は、『自動思考』や『認知』が生まれることになった根っこのようなものだと思います。

 

「根っこの部分からどうにかしたい」と思っていた僕にとってスキーマ療法はまさにぴったりでした。

これが、僕とスキーマ療法との出会いです。

 

 

プライバシーポリシー

個人情報の保護について

https://schema-therapy.info/」(以下、当サイト)を利用される方は、以下に記載する諸条件に同意したものとみなします。

個人情報の収集について

利用者は匿名のままで、当サイトを自由に閲覧する事ができます。お問合せ等、場合によっては、利用者の氏名やメールアドレスなどの個人情報の開示をお願いする事があります。しかし、利用者の個人情報を利用者の許可なく、当サイトから第三者へ開示・共有する事はありません。

広告の配信について

当サイトはGoogle及びGoogleのパートナーウェブサイト(第三者配信事業者)の提供する広告を設置しております。その広告配信にはCookieを使用し、当サイトを含めた過去のアクセス情報に基づいて広告を配信します。 DoubleClick Cookie を使用することにより、GoogleやGoogleのパートナーは当サイトや他のサイトへのアクセス情報に基づいて、適切な広告を当サイト上でお客様に表示できます。 お客様はGoogleアカウントの広告設定ページで、パーソナライズ広告の掲載に使用される DoubleClick Cookie を無効にできます。また aboutads.info にアクセスして頂き、パーソナライズ広告の掲載に使用される第三者配信事業者のCookieを無効にできます。 その他、Googleの広告における、Cookieの取り扱いについての詳細は、Googleのポリシーと規約ページをご覧ください。

ウェブサーバの記録

当サイトのウェブサーバは、利用者のコンピュータのIPアドレスを自動的に収集・記録しますが、これらは利用者個人を特定するものではありません。利用者が自ら個人情報を開示しない限り、利用者は匿名のままで、当サイトを自由に閲覧する事ができます。

免責事項

利用者は、当サイトを閲覧し、その内容を参照した事によって何かしらの損害を被った場合でも、当サイト管理者は責任を負いません。また、当サイトからリンクされた、当サイト以外のウェブサイトの内容やサービスに関して、当サイトの個人情報の保護についての諸条件は適用されません。 当サイト以外のウェブサイトの内容及び、個人情報の保護に関しても、当サイト管理者は責任を負いません。

アフィリエイトプログラムへの参加について

当サイトは、商品を宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定された下記アフィリエイトプログラムの参加者です。